デリケートゾーン(外陰部)の痒みを引き起こす4つの感染症の原因と対策

  • 2019年9月24日
  • 性病
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外陰部のかゆみは辛いです。今すぐ掻きたくても、簡単に掻ける場所ではありません。おりものに変化はありませんか?変化しているのなら、そのかゆみは感染症が原因かも知れません。

外陰部はかゆいけれどおりものに変化がない人は、まずは以下を確認して下さい。

産婦人科医が教える外陰部のかゆみ止め!かぶれ・乾燥肌の原因と対策

1. 外陰部の感染症はおりものに変化あり

現在、あなたのおりものはどういう状態でしょうか?

  • 臭いが強くなってきた
  • 酒かすやおからのような、ボロボロのかたまりが出てくる
  • 泡立っている
  • 黄色や黄緑色になっている
  • 茶色い時がある

このいずれかの症状があり外陰部がかゆいのなら、感染症になっている可能性があります。

かゆみを引き起こす外陰部の4つの感染症

1. 細菌性膣炎

膣内で雑菌が繁殖して、炎症が起こる病気です。

1-1. 症状

  • おりもの量が増える
  • 黄色(膿のような)おりものが出る
  • 外陰部や膣内が赤くなって熱を持ち、ヒリヒリする

1-2. 原因

膣に、雑菌(レンサ球菌・ブドウ球菌・大腸菌など)が入って増殖することで起こります。この雑菌は身近な常在菌ですが、通常は膣内にはいません。

デーデルライン桿菌が正常にいれば膣内が酸性に保たれているため、外部からの雑菌は入れません。裏を返せば、デーデルライン桿菌が減った膣内は、外部からの侵入に弱いということです。

デーデルライン桿菌が減ってしまう理由

  • 抗生物質を服用している
  • 妊娠している
  • ビデを利用して膣の中を洗っている
  • 外陰部を石鹸で洗いすぎている
  • 風邪や病気になって抵抗力が低下している
  • *疲労が溜まるだけでも免疫力が低下するため、発症することもあります。

結果として、雑菌が増えてしまい炎症が起こります。すると黄色い(膿のような)おりものが増加します。ちなみに細菌性膣炎そのものによっては、外陰部のかゆみを引き起こしません。

かゆみが起こる原因は、黄色い(膿のような)おりもの量が増えてることで、外陰部がかぶれてしまうことです。

1-3. 対策

デーデルライン桿菌が減ってしまう理由に思い当たるフシがあるのなら、解消することが大切になります。おりものによるかぶれを防ぐために、応急処置としておりものシートをこまめに替えることも有効です。しかし、一度増えてしまった雑菌が自然に治るには、相応の時間がかかります。

病院へ行きましょう!婦人科で対応できます。抗菌薬含有の膣座薬を使用します。膣内の雑菌の増殖を止めて、デーデルライン桿菌が多い状態に戻します。

2. カンジタ膣外陰炎

膣内の常在菌であるカンジタ菌が、急激に増えることで発生する病気です。

2-1. 症状

  • おりものが白くなり、酒かすのような、おからのような形状に変化する
  • 外陰部がとてもかゆい
  • 外陰部が赤くなる

2-2. 原因

性病(STD)として紹介されることもありますが、セックスでの感染は5%程度です。

カンジタ菌というカビの一種で、健康な人であれば誰でも口腔・腸内・膣内などに常在しています。普段は大人しく、悪さはしません。そのため存在に気付くこともありません。

しかし、膣内の常在菌であるデーデルライン桿菌が何かの理由で減ってしまうと、急激に増加してしまいます。

カンジタ菌が増殖しやすい環境

  • 抗生物質を服用している
  • 妊娠している
  • 外陰部が高温多湿で蒸れた状態になっている
  • 外陰部を石鹸で洗いすぎている
  • 風邪や病気になって抵抗力が低下している
  • 疲労が溜まるだけでも免疫力が低下するため発症することもあります。

基本的に細菌性膣炎と理由はほぼ一緒です。この理由を見てもわかるように、誰がいつなってもおかしくない病気です。

2-3. 対策

最近は、カンジタ膣外陰炎を治す市販薬も出ていますが、すぐに病院へ行くことをオススメします。理由は3つあります。

①市販薬は再発治療薬として販売されている

過去に【外陰部の異常に気づき → 病院へ行って治療する】という経験がある人は、カンジタ膣外陰炎はどういうものかが、経験として分かります。そのため再発した場合に気づくことができます。

②市販薬は、予測でしか治療ができない

市販薬を使用すると、増加しているカンジタ菌がすぐにいなくなります。もし市販薬使用後に受診した場合、予測で診断するしか方法がなくなってしまいます。

外陰部のかゆみの治療には原因追求が欠かせません。証拠が消えてしまっては判断に確証が持てなくなってしまいます。

③病院では1回の治療で完治可能

市販薬は基本的に6日間続けて使用する必要があります。病院で処方する治療薬も5〜7日間連続で使用する必要がありましたが、1錠で済む膣座薬ができてからは、1度の治療で完了させることが可能です。

3. トリコモナス膣炎

3-1. 症状

  • おりもの量が増える
  • 黄色や緑色になったおりものが出る(泡状になっている場合もあります)
  • 臭いが強くなる
  • 外陰部がかゆくなる
  • 膣が赤くなる

3-2. 原因

トリコモナス(原虫)に感染することで発症します。セックスで感染することが多いため性病(STD)として紹介されています。詳細は以下をご覧ください

婦人科医が教える女性の性病の初期症状・治療・原因を詳しく解説

4. 萎縮性膣炎

エストロゲンが低下する更年期以降の女性や、卵巣を2つとも摘出した人が発症します。(エストロゲンは卵巣から分泌されるため)

4-1. 症状

  • おりものが黄色くなる(膿のような状態もある)
  • 茶色いおりものが出る
  • 不正出血
  • 性交痛
  • 外陰部のかゆみ

4-2. 原因

エストロゲンには膣内の粘膜を厚くする力があります。みずみずしくて厚みがある粘膜はデーデルライン桿菌が安定して増殖しやすい環境です。しかし、エストロゲンが減少すると、膣内部の粘膜が薄くなって萎縮していきます。

萎縮した膣内は、粘膜が薄いため性交痛が起こったり、血が出やすくなります。デーデルライン桿菌も減少し、膣の分泌物も減少するため、自浄作用も低下して乾燥しやすくなります。すると、外部から雑菌が入りやすくなります。

萎縮性膣炎は感染症ではありません。ただし、このように感染症を引き起こす原因になります。

4-3.対策

病院へ行って治療しましょう。まずは、細菌性膣炎を併発していないか調べます。併発している場合は、細菌性膣炎を先に治します。

局部投与としては、膣内に直接エストロゲン入りの膣座薬を入れる方法があります。全身投与はHRT(ホルモン補充療法)になります。かゆみが強い場合は、ヒスタミン薬(内服薬)やステロイド軟膏を使うこともあります。

5. 番外編:ケジラミ症

ケジラミ症は外陰部のかゆみを引き起こす感染症です。ただし、これまで紹介してきた4つの感染症とは違い、おりものには変化がありません。

5-1. 原因

ケジラミは吸血性の寄生虫です。約1mmで肉眼で見ることができます。主にセックスによって感染しますが、家庭内でも感染します。陰毛に好んで住みつき、同じ箇所を吸血するため陰毛付近にかゆみが生じます。

5-2. 対策

治療は、駆除薬入りのパウダー or シャンプー(共に市販薬)を使用します。

ケジラミは卵を産むため、治療は長期戦になります。セックスパートナーはもちろん、家庭内感染があるため家族も一緒に治療する必要があります。

7. まとめ

外陰部がかゆくておりものに変化があるなら、感染症に罹っている可能性を疑ってください。感染症は微生物が原因です。

目に見えないため、検査して確かめる方法が一番確実です。ひとりで対処しようと考えずに、病院を利用してください。