医師の本音!更年期症状を知らないと2倍苦労する!理由を詳しく解説

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これは私が、20年以上年婦人科医をやってきて思う本音です。更年期症状を知らないばっかりに、しなくていい苦労をは2倍どころか3倍、4倍苦労する人が多すぎるんです!

「更年期症状とはどんなもの知っているわ」と

思っている人も、再確認の意味も込めて答え合わせしてみて下さい。

「ちょっと自信ないかも・・」と

感じたなら、これはあなたのための記事です。ぜひ、最後まで読んでみてください。

症状を知ることが大事

更年期にはどういう症状があるかを知っておくと、間違った選択をしなくて済む。

「間違った選択をしたばっかりに、不調の回復が2年も遅れた。」

「最初から産婦人科に来て入ればこんな苦労しなくてよかったのに・・」と

いう感想を口にされる患者さんが多いです。

間違った選択をすると、いろいろな病院を受診して検査も受けますが、

「異常ありません」と

言われて

「精神的な問題です」と

言われて我慢したり、自分を責めてしまうパターンが多いのではないでしょうか?

一体どれが更年期でどれが違うの?

40代の更年期女性で以外と多いのが「一体どれが更年期でどれが違うの?」とわからなくなる方です。

更年期症状の特に始めの頃は他人には理解してもらえませんし、自分自身も違和感を感じるだけなので余計にわかりにくいのかもしれません。

他人にはこころの中は見えませんよね?

更年期症状は人に見えないこころの変化や、元々持ってる「冷え症」「腰痛」「肩こり」「頭痛」など自分が弱いところが悪化するパターンが多いです。

自分は違いを感じるけど、他人にはわかってもらえない。他人には以前のイメージが残ったままです。

当然自分自身も前のイメージのままなので違和感を感じます。

以前と同じ反応をするのが辛くなる時期です。特に他人にはそれがわからないことが多いためにイライラする経験が多くなります。

もし他人が気付いて病院をススメられたなら、症状は悪化してると考えた方がよいです。一人で抱え込むと余計に辛くなります。

抱え込む必要はまったくありません!自分自身が違和感を感じた時点で受診してもらうのがオススメです。

更年期と間違いやすい症状

更年期症状は他の病気と症状が非常に似ている場合がある

疲れやすく、ダルさが抜けないのは以下

  • 自律神経失調症
  • 甲状腺異常

急に大量の汗をかいたり、イライラするのは「甲状腺異常」に多い症状です。

ほてり、不眠、動悸、偏頭痛、めまい、便秘などは「自律神経失調症」に多い症状です。

こころに出る変化では「うつ」の症状が非常に似ています。

婦人科に行くと更年期。しかし、違う病院へ行くと違う病名になることも現実としてあります。

例えば、心療内科に行けばうつと診断されて治療が始まったります。

皮膚科に行けば、保湿することと痒み止めにステロイドをもらうかも知れません。

頭痛で脳外科に行ったり、関節痛で整形外科に行ったりするかもしれませんね。

医師の強みでもあり弱みでもあるのですが、専門性が高いために専門外のことも視野に入れて見ることが苦手です。

基本的にその出ている症状を無くす方向に治療は進めらます。

心療内科に行けば心療内科の目線で症状を見ます。

皮膚科は皮膚科の目、脳外科は脳外科の目、整形外科は整形外科の目で見ます。

症状によって病名も決まるため、似たような症状でも「専門にしてる医療分野で診断結果が違う」ということが起こるのです。

症状は一時的に治るかもしれませんが、なかなか根本的な解決にならない場合が多いです。

通う病院は増えるのに「薬ばかり増えて、全然良くならない」と感じている人も意外と多いかもしれません。

更年期には4つの症状

大きく分けて4つの変化があります。

  1. カラダに出る変化
  2. 見た目に出る変化
  3. こころに出る変化
  4. コミュニケーションに出る変化です。

それぞれ詳しく見ていきましょう!

①カラダに出る変化

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1. のぼせ

「のぼせ」とは、首から上が急にカァーッと熱くなって、文字通り、のぼせてしまうことです。

お風呂上がりやサウナに入った時の状態を思い出してください。あの状態が首から上だけで起こります。

2. ほてり

「ほてり」は、のぼせることの延長線上にあります。顔が真っ赤にほてって、尋常ではない暑さを首から上に感じます。

「のぼせ」と「ほてり」が同時に起こることを「ホットフラッシュ」と言います。

3. 発汗

「発汗」は、「のぼせ」て「ほてった」結果です。当然どっと汗をかきます。

更年期の発汗で特徴的なのは、体に汗をかくのではなく首から上にかくと言う点です。

頭皮から汗が噴き出して、顔をつたってボタボタと落ちて来るような発汗です。

4. 寒気

大量に汗をかくと襲って来るのが手足の冷えです。

汗が蒸発すると熱を奪いますので(汗は本来体を冷やすために出ます)体温が下がるのは当然です。

「のぼせ」→「ほてり」→「発汗」→「寒気」はセットでやってきます。

5. 手足の冷え

首から上は暑くて汗が流れるぐらいなのに、下半身は冷えている「冷えのぼせ」という状態が起こります。

この一見するとかなり矛盾した状態が実際に起こります。これは更年期のバランスの悪さを表しています。もともと冷え症の人は悪化する人が多いです。

6. 動悸

胸がドキドキするだけでなく、心臓の収縮がわかるほど強く感じるのが動悸です。

7. 不眠

睡眠障害です。「なかなか寝られない」「途中で何度も目がさめる」パターンです。

途中で目が覚めてしまってからは寝ることができない人もいます。他の更年期の症状が起こった結果、不眠になるケースも。

寝汗をびしょびしょにかいてしまって、目がさめるのが特徴的です。寝てる時の「発汗」ですね。

8. 頭痛

こめかみに脈を打つような痛みが発作的に起きる「偏頭痛」も生理と関係しています。

「頭痛」はストレスに大きく関係しています。締め付けられような痛みが長く続く「緊張型頭痛」になってる人もいます。

9. めまい

「めまい」「立ちくらみ」「ふらつき」も更年期に多い症状です。

めまいにはふわふわと体が浮いているような「浮動性めまい」と天井や壁がグルグル回っているように感じる「回転性めまい」があります。

ひどい場合は吐いてしまう人もいます。

10. 疲労感(疲れる・だるい)

翌日も翌々日も疲れが取れない疲労感に襲われます。

感じた方は、「だるい」「重い」「体を動かすことに抵抗を感じる」など人それぞれです。

数年前までは出来ていたことが出来なくなったら要注意です。

11. 肩こり

肩こりが全くなかった人が更年期になると突然肩こりに襲われることがあります。

もともと慢性的に持っていた人が頻繁に起こるようになったり、症状がひどくなる人が多いです。首や肩の両方がこってしまう人もいます。

12. 腰痛

朝に腰が痛くて起きられない人もいます。

13. 性交痛

膣が乾燥すると性交痛がひどくなってしまいます。これは更年期に限らず、閉経後にどんどん進行してしまいます。

性行痛は人に相談できない悩みのトップ3に入るかも知れません。意外と多くの方が悩んでいます。

14. 尿失禁

尿道や膣、肛門のある場所の筋肉と靭帯がゆるくなってしまうことで起こります。

くしゃみや咳、大笑いした時に尿が漏れてしまうパターンが多いです。

15. 関節痛・疼痛

肩やひざに痛みが起こったり、しびれるような感覚を覚えたりします。痛みやしびれ、不快感で寝れなくなる人もいます。

手のひらがピリピリとしびれたり、針でチクチクと刺されたような痛みが走ったら要注意です。

②見た目に出る変化

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1.肌や髪の乾燥・かゆみ

肌の潤いが低下することでキメも粗くなります。肌の乾燥はシワを生みます。

髪もハリやコシがなくなって、パサつくようになります。見た目老いていくことで自信を失うのは更年期の特徴です。

2.肌荒れ

肌が乾燥するとバリア機能が低下しますので、肌が荒れる人が増えます。

3.髪が薄くなる

全体的に髪が細くなって、ボリューム感がなくなります。

分け目も目立つようになって、一気に老けてしまう印象を与える要因の1つです。

4.ドライアイ・ドライマウス

更年期にはカラダ中粘膜が乾きやすくなります。「ドライアイ」になると目の粘膜が乾いて痛みが出ます。

唾液が少なくなって口の中が乾く「ドライマウス」になると「口臭」が気になってしまいます。

③こころに出る変化

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1.イライラ

些細なことが気になったり、目くじらを立てるようになります。カーッとなって感情が抑えられなくなるなら要注意です。

普段はおとなしい人や冷静な人がまるで性格が変わったようにヒステリックになることがあります。家族に手を上げてしまう人も少なくありません。

2.不安・くよくよ

不安の波が襲って来たり、引いたりと思春期のように心が不安定になってしまう人がいます。

ネガティブな妄想が負のサイクルのように回り出して自分でコントロールするのが難しくなってしまいます。

3.憂うつ

アクティブだった人が更年期になると性格が変わってしまったかのように、ネガティヴになる傾向があります。

いつも休日は外出していた人が、家で引きこもるようになるのは典型的なパターンです。

④コミュニケーションに出る変化

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これは更年期症状による結果「起こること」と言えます。

1.今までの友達と縁を切る

これまでは気にならなかった友人の言動にイライラしてケンカしてしまう人がいます。

ただでさえ会うのがおっくうになりがちな世代です。

「会いたくない」「喋りたくない」などのうつの症状の結果、切れてしまう人がいます。

友人も更年期を迎えていて、お互いに不安定だと関係性を維持するのが難しくなることもあります。

2.夫とケンカが急に増加する

今までは気にならなかった夫のニオイや言動にイライラして嫌味を言ってしまう。

一度火がつくとコントロール出来なくなって手が出てしまうケースも。

性生活も性行痛でギクシャクしてしまうとお互いに不満が溜まってしまうために離婚の文字がチラつく人も多いです。

3.家事をしなくなる

疲れやすく、だるさが取れないので「何もしたくない」ということになりやすいです。

この状態を夫に「サボってる」と責めらられることも喧嘩になる原因で多いです。

単にホルモンの低下ばかりでなく、家庭内や社会的な問題が複雑に絡み合って、症状を悪化させることもあります。

カラダに変化が起こる→見た目に変化が起こる→こころに変化が起こる→コミュニケーションに変化が起こる→カラダに変化が起こる

・・という感じで変化が次の変化を起こします。

まずは婦人科医に見てもらうのが一番近道です。

大きな変化を感じる時はもちろんですが、小さな変化でも力になれます。

「行くべきなのかな?」と頭をよぎったら迷わず病院に行って相談しましょう。

婦人科医は自分に合った医師を見つける

行ってみた病院の診断や対応が気に入らなければ、違う病院に行ってみましょう!(残念ながら、すべての婦人科医が同じスタンスで仕事していません)

小さい疑問や不安を持った時点で病院に来てください。不安を取り除くことは、医師の大切な役目です。

「この程度で来なくていいのに」と

思ったり、言ったりしませんから安心してください(笑)

人間関係と同じようにお医者さんとの相性も大きく関係して来ます。(他の病院と比較してみることも時には必要です。)

まとめ

「今の不調は一体何が原因で起こっているのか?」探偵になった気分で探してみてください。

もし見つからなかったら、まずは婦人科を受診してください。更年期世代の女性はまず婦人科に来てもらうのが一番近道です。

違う病気が疑われる場合は、他の専門医も紹介できますし、デリケートな女性のカラダを専門にしてるのは婦人科医です。

不調は誰でも小さな違和感から始まります。この小さな違和感から気兼ねなく訪問できる産婦人科病院を持っていれば、どれだけ心強いか考えてみてください。