【医師監修】外陰部のかゆみ止め!かぶれ・乾燥肌の原因と治療方法を詳しく解説

inbukayumi

外陰部がかゆいと辛いですよね。恥ずかしさから相談できない・受診できない人も多いです。

外陰部のかゆみ原因トップ3

  1. かぶれ(接触性皮膚炎)
  2. 皮膚の乾燥
  3. 感染症

外陰部のかゆみで一番多い原因は、①かぶれ(接触性皮膚炎)です。また②皮膚の乾燥が、かゆみの原因となっていることも多いです。そこでこの記事では、外陰部がかぶれや乾燥で、かゆくなる原因と対策について解説します。

③感染症に関しては、

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かぶれ(接触性皮膚炎)の3つ対策

1.市販薬を使用する

外陰部は皮膚が薄く傷つきやすいため、なるべく掻かないようにすることが大切です。手軽に手に入る市販薬は、そのための強い味方になってくれます。フェミニーナ、フレディ、デリケアなどがありますね。掻きたくなったらすぐに使用してください。

それぞれかゆみ止めの成分が違うので、自分に効果があるものを試してみると良いと思います。

2. 冷やす(かぶれてしまっている場合)

かぶれてかゆみが起きている所は、炎症を起こしています。炎症部分は免疫機能が活性化しているため、赤み・熱・腫れ・痛みが現れます。
*乾燥肌で掻いてしまった結果、かぶれたような状態になることもあります。

冷やすと炎症を鎮める効果が働きます。炎症が鎮まると、かゆみも同じように感じにくくなります。

3. 保湿をしっかりする

皮膚の構造上、保湿が一番大切です。保湿=バリアです。保湿されていない肌(乾燥肌)はバリアが機能しません。市販薬を使用する場合は、保湿してから、かゆみ止めを塗るようにすると良いです。

掻いて傷つけてしまった肌は、バリア機能が低下します。

なぜ外陰部は、かゆくなったのでしょうか?かゆみが発生した原因を探ることはとても大切です。

外陰部かぶれる(接触性皮膚炎)原因と対策

かぶれる(接触性皮膚炎)原因として、下記の3点が多いです。

  1. 外部からの刺激
  2. アレルギー
  3. 雑菌

外部刺激でかぶれる

外部からの刺激は意外と多いです。下着の素材や縫い目も刺激になりますし、ガードルやボディースーツ、ジーンズのようにぴっちりした衣類は通気性が悪くなるため、かゆくなることがあります。

汗 → 蒸れるような下着や服装をしない

汗もかぶれ(接触性皮膚炎)の原因となります。汗には塩分やミネラルが含まれます。

下着が汗を十分に吸収してくれないと、塩分・ミネラル・汚れなどが汗菅(かんかん)に詰まり炎症が起きかゆみや発疹ができます。

下着は汗をよく吸ってくれる綿素材の割合が多いものがオススメです。

合成洗剤 → 洗剤のすすぎ残しをなくす

洗濯洗剤は合成洗剤を使っていると思います。この合成洗剤は汚れを落とす、抗菌作用・香りを付けるなど非常に便利です。しかし、この合成洗剤でかぶれてしまう人がいます。

かぶれる場合は、洗剤の種類を替えてください。使用時は、洗剤の使用量を減らす・すすぎ回数を増やすなど、洗剤のすすぎ残しがないようにして下さい。

軟膏・クリーム → 使用を中止する

副作用としてかぶれ(接触性皮膚炎)になることがあります。使用中にかぶれた場合は使用を中止してください。使用したクリームの名前を、メモして病院へ行きましょう。

毛剃り → 無理をしない

アンダーヘアを処理する時に、皮膚が負けてかぶれる人がいます。外陰部は皮膚が薄いため、肌が弱い人にはおススメ出来ません。ムダ毛が気になる人は、エステサロンや美容皮膚科で永久脱毛することがオススメです。

アレルギーでかぶれる

アレルギー → 接触を避ける

金属、コンドームなどのゴム製品にアレルギー反応を起こしてしまう人がいます。思い当たるフシがあるなら、まずは接触を避けるようにします。その後、アレルギー検査を受けて「ある・なし」をハッキリさせましょう。

雑菌でかぶれる

雑菌 → 専用シートを使う

汚れた下着やシートを、着けたままの時間が長ければ長いほど、雑菌が繁殖してしまいます。下着が汚れる要因には、経血・おりもの・尿の3つがあります。それぞれ成分も特徴も違いますので、専用シートを使用することをオススメします。

外陰部が乾燥する原因と対策

乾燥する原因は乾燥肌になっている(皮膚のバリア機能が低下している)ことです。

皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層構造をしています。一番底に皮下脂肪があり、その上には真皮があります。真皮の中にはコラーゲンが支える土台があります。一番上の角質層が普段私たちが目にしている部分です。

この角質層は厚みがたった0.02mmしかありませんが、とても重要な働きをしています。

通常、角質層には水分がたっぷりと含まれていて、適度なハリを保っています。水分がたっぷりと保てる理由は、角質層は細胞がレンガのように積み重なっています。

レンガとレンガの間には保湿成分があり、水分をたっぷり抱えています。さらに皮脂膜がラップのような働きをして、水分を外部に逃がしません。

しかし乾燥肌になると、皮脂膜が十分に作られません。ラップを失った角質層は水分がどんどん蒸発してしまいます。

すると、レンガのように積み重なった角質層にどんどん隙間が空いてしまいます。隙間が大きくなると、レンガが崩れてしまうために、肌がザラザラ、カサカサした状態になります。

しかも隙間があると、外部から刺激が簡単に皮膚内部に入ってくるため、刺激に弱くなります。その結果、かゆみは増してしまいます…

エストロゲン低下(老化)によって乾燥肌になる

エストロゲン(女性ホルモン)は、初潮が始まる10代前半~閉経するまで女性の身体に豊富にあります。エストロゲンによる恩恵はたくさんありますが、その中にコラーゲンを増やして肌にハリを与える力があります。

閉経する頃にはエストロゲンは計測不能なぐらいに激減します。その影響を受けて、肌にハリがなくなっていきます。さらに年を重ねると、男女問わず皮脂量が減少するため、徐々に乾燥肌になっていきます。

対策として、HRT(ホルモン補充療法)を受ける方法があります。

HRT(ホルモン補充療法)

エストロゲンを内服薬や貼り薬、塗り薬で補充する治療です。投与を行ってる間は肌に潤いが戻るため、外陰部のかゆみが改善します。荒れていた皮膚も通常の状態に戻っていきます。

保湿・かゆみ止めを活用する

保湿をこまめに行うようにしましょう。かゆみがぶり返すようなら、ステロイドや市販薬を利用して掻かないで済むようにすることも大切になります。

皮脂膜が薄いため乾燥肌になってしまう

体質的に皮脂が少ない人がいます。反対に皮脂が多い人もいます。全く違うタイプの肌なら、ケアも違うはずです。しかし、同じようなケアをしてしまっている場合があります。

身体の洗い方1つを取っても、全然違ってきます。

皮脂が多い人

毎日石鹸で洗って、丁度いいぐらいです。

皮脂が少ない人

石鹸はなるべく使わないようにして、普段はお湯を流しながら手で洗う方法がオススメです。ナイロンタオルに石鹸をつけて、ゴシゴシ洗いは厳禁です。汚れが気になる時は、石鹸をしっかり泡立てて、手で優しく洗って下さい。

乾燥肌にアレルギーが合わさるとアトピー性皮膚炎

アトピーは、ハウスダストやダニの死骸など目に見えないけれど、日常的にどこでもあるものにアレルギー反応してしまう人が、乾燥肌になると発症します。

食べ物や金属であれば、避けることは比較的簡単にできるため、対策も簡単です。しかしハウスダストなどは、目に見えない上にどこに行ってもあるため、完全に避けることが難しいです。

そこで乾燥肌にならないように、保湿することが重要になってきます。
*自分では手に負えないと思った場合は、迷わず病院へ行ってください。

病院で治療をする

皮膚科・婦人科で対応できます。

外陰部のかゆみ + おりものに変化がある場合は婦人科へ

  • おりものが豆腐のようなチーズのような白いボロボロになる
  • 黄色や黄緑色っぽくなる
  • 泡立ったおりものが出る
  • 臭いが強くなる

このような変化がある場合は、感染症の可能性が高いため婦人科に行ってください。

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かぶれ(接触性皮膚炎)や皮膚の乾燥を、病院で治療する場合は皮膚科・婦人科ともに対応できます。病院へ行く最大のメリットは、かゆみの原因を詳しく検査できることです。

血液検査

アレルギーの有無を判断します。仮にアレルギーが見つからなかったとしても、「アレルギーではない」ことがわかります。

薬物治療

基本的には投薬治療が中心となります。

ステロイド軟膏

かゆみを止めるために、非常に効果的に働いてくれます。

ステロイドには、「最も強力~弱い」までの5段階レベルがあり、肌の状態や条件に合わせて選択します。医師による診断と経過観察が欠かせませんので、病院で処方してもらう必要があります。

抗ヒスタミン薬(内服薬)

アレルギーを起こす原因となる、ヒスタミンを抑えてくれます。かゆみがアレルギー反応によって、引き起こされている場合に有効です。

5. まとめ

かゆみの原因をハッキリさせることで、対策が打ちやすくなります。

基本は、掻かない・保湿をこまめにすることで、角質層のバリアを崩さないことが大切です。

角質層のバリア機能が崩れてしまっている場合は、一度リセットする必要があります。困ったら病院へ行ってください。